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浮気・不倫の慰謝料請求や養育費を支払ってもらうためのブログ

養育費の取り決めを離婚時にしておくべき3つの理由

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養育費の支払状況

養育費という言葉は誰でも知っていますし、頻繁に使われます。しかし、実際に養育費を支払ったり、支払ってもらったりしている人は、それほど多くはありません。

現在、養育費が支払われている世帯は、全体の2割程度と言われています。

非常に低い数字だと感じますが、実は支払われていないのも道理で、厚生労働省の調査によると、離婚時に養育費の取り決めをした母子世帯は、約38%にとどまっています。残りの60%は取り決めすらしていないのですから、養育費が支払われるはずがありません。

約束をしていなくても養育費は請求できる

まず、養育費を支払ってもらうことは、権利であるという点を十分に理解してください。遠慮することはありません。国がそう決めたのですから。そして、養育費は、支払うという約束をしていなくても、支払ってくれと請求することができるのです。

例えば、夫の暴力やモラルハラスメントがひどく、逃げるようにして離婚をした場合、とても養育費の取り決めなどすることはできなかったでしょう。そうではなくても、感情的になって離婚した場合や、夫が話し合いに応じなかった場合にも、養育費を決めることはできません。おそらく、取り決めをせずに離婚したケースでは、上記のような事情も多くあったのだろうと思います。

しかし、よく考えてください。養育費とは、子どもを育てるのに必要なお金であり、子どものためのものです。ですから、離婚時に養育費の取り決めをしていなくても、子どもを育てるために必要であれば、いつでも請求できるのです。離婚後何年経っていても、です。

養育費は離婚時に決めておくべき3つの理由

確かに、養育費は子どもが成年に達するまでであれば、いつでも請求はできます。しかし、それでも離婚時に決めておかなければならない理由があるのです。

義務者に新たな家庭ができている

心情的な問題

義務者とは、養育費を支払う側のことですが、離婚後、何年も経過すると、別れた夫が再婚しているということも十分に考えられますし、再婚相手との間に子どもが生まれていることもあるでしょう。そうなると、元夫が子どもに対して抱く愛情は、どうしても再婚相手との間の子どもの方に、より多く注がれることになり、養育費を出し渋る可能性が出てきます。

これが離婚時であれば、他に子どもはいないわけですし、愛情も十分にあるでしょうから、養育費の話もスムーズにまとまりやすいと考えられます。

法律的な問題

養育費をいくらにするかという金額の算定方法については、改めてお話をしたいと思いますので、ここでは結論だけ申し上げますが、養育費を支払う側に、扶養家族が多いほど、養育費の金額は少なくなります。これは感覚的に理解できると思います。

極端な話、元夫と再婚相手との間に、子どもが5人生まれたとすると、当然、そちらの養育にお金が必要になるわけですから、養育費にさける金額は減少します。離婚後、時間が経てば経つほど、この危険は大きくなります。

ですから、養育費は離婚時に、遅くとも離婚してから速やかに、決めなければならないのです。

義務者が行方不明になる

これは非常によくあるケースです。離婚してすぐは、1か月に1回程度、元夫が連絡をしてきて、子どもと一緒に遊んだりするでしょうが、時間が経つにつれ、その連絡もとぎれとぎれになり、いつしか音信不通になったりします。

そういう状況で、養育費を支払ってもらいたいと思ったとして、実際に行動を起こせますか?

どうしても養育費が必要であるなら、いろんな方法を使って連絡を取ろうとするでしょう。しかし、そこまで窮迫しているわけでもなく、「支払ってくれるなら支払ってもらいたい」という程度であれば、手間暇をかけて元夫の行方を探すことまでしないのではないでしょうか。

実際、私の知人にも、養育費が支払われておらず、元夫が行方不明になっているという状況で、「養育費を支払って欲しいし、まず行方を探さないとなー」と言いながら、何もしていない人がいます。おそらく、この先も、彼女が元夫の行方を探すことはないでしょう。

このようなリスクを避けるためにも、養育費の取り決めは離婚時にしておくべきです。

過去の養育費は請求が難しい

「養育費は、何の取り決めがなくても当然に発生し、いつでも請求できる」

この考え方からすると、離婚後何年経っていても、離婚直後の分からの養育費を全て請求できることになります。しかし、実際はそうではありません。

例えば、養育費が支払われないため、家庭裁判所に養育費の支払いを求めて調停を申し立てたとします。この場合、いつからの分の養育費が認められるかと言うと、調停申立時というのが、裁判所の考え方です。なぜなら、「それまで養育費の支払がなくても生活ができていた」「過去に扶養が必要な状態であったかが不明瞭である」「何年分もの養育費を一気に請求されると義務者の負担が大きい」ためだと言われています。

また、そういう事情がなかったとしても、養育費は5年の消滅時効にかかり、それ以上前の分は請求できません。

つまり、養育費の取り決めが遅れれば遅れるほど、単純に、支払われる金額が少なくなるということなのです。

冒頭の調査結果ですが、養育費の取り決めをしていてさえ、支払われているのはその半分程度で、取り決めがない状態で支払われる可能性はほぼ0です。 養育費を支払ってもらいたいと少しでも思うのならば、必ず離婚時に取り決めをするべきだと肝に銘じてください。